アメリカでは、原料/製品の内容、及び輸送量によっては、輸送に鉄道を用いることがよくあり、鉄道システムを有効に活用すれば、トラックだけを使った輸送と比較して、輸送費削減等のメリットを得られる可能性があります。
米国には、輸送専門の鉄道会社が数多く存在し、売上げによって3つのカテゴリーに分類されています。その中でも、売上げが最も多いカテゴリーであるClass Iには現在7つの鉄道会社が指定されており、これらの会社は米国の広範囲をつなぐ主要幹線鉄道を所有しています。
- ミシシッピ川より東側で展開している鉄道会社
- 1. CSX Transportation
2. Norfolk Southern Raiway - ミシシッピ川より西側で展開している鉄道会社
- 3. BNSF Railway
4. Union Pacific Railroad
5. Kansas City Southern Railway - カナダの鉄道会社で、米国内まで展開している鉄道会社
- 6. Canadian National Railway
7. Canadian Pacific Railway
また、各地域には、ClassII、ClassIIIに指定される中小規模
鉄道会社が数多く存在し、ClassIIIは別名Shortlinesとも呼ばれ、限定された範囲で
輸送サービスを展開しています。各地域のShortlinesのリストは、Shortlinesによって組織されているASLRRA(American Short Line & Regional Railroad Association)のホームページにて参照することが可能です。
大規模な工業団地、あるいはClass Iの鉄道会社が所有する工業団地等の場合はClass Iの線路が工業団地内まで引き込まれていることもあります。しかし一般的には、工業団地内まで引き込まれている線路は、Shortlinesが所有する線路の場合が多く、製品の輸送先が同州内の比較的近いところでない限りは、通常は複数の鉄道会社を経由したルートでの輸送となります。特に、州外へ製品を輸送する場合は、Class I、ClassIII(場合によっては間にClassIIを経由)を組み合せた形での輸送になる可能性もあります。
鉄道会社は、製品の出入荷頻度、出入荷量を基にサービス提供の可否を決定するので、線路が引き込ま
れている工業団地であっても、必ずしも鉄道を使った輸送サービスが得られるとは限りません。そのため、
事前に、線路を使用することが可能であるかを鉄道会社、並びに工業団地に確認すること。
上記確認作業と平行して、線路が工場まで物理的に問題なく引き込めるかを確認すること(例: 車両が
問題なくターンするために必要な曲率半径の確保等)。
工業団地によっては、「将来、線路を引き込む事を予定している」として用地を売り出している場合がありま
すが、どこまで実際に計画が進んでいるかを確認すること。